日本の文化である紙芝居を媒体としてインドネシアの災害文化を紹介し防災セミナーを実施、文化と防災を軸としたインドネシア・日本両国の交流を進めている。事業3年目になる2016年は、各地の「防災文化を醸成していこう」とのムーブメントにより、さらに多くの地域や学校で展開することができた。生徒たちをはじめ教員やコミュニティなどが積極的に防災について考え学びあい、これまで培ってきた「文化と防災を軸とした交流」が地域へ根づき始めている。さらに「世界津波の日」が制定され、日尼両国各地からの関心が高まった。World Tsunami Awareness Dayにも協力事業として参加し、インドネシアの災害文化「Smong (スモン・シムル語で津波の意)」に加え、日本の災害文化「稲むらの火」の紙芝居をアチェの語り部によって上演、アチェの災害詩の朗読や災害専門家の講演なども含めプログラムを多角的に発展させた。
平成26年度実績 https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/ja/grant/pp1405/平成27年度実績 https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/ja/grant/pp1558/
- 関連する国/地域
- インドネシア
申請団体より
平成26年より3期にわたり実施した当該事業は日本の文化とインドネシアの文化の融合を考えたうえで、層の厚い「文化と防災を軸とした交流」を育み、両国の防災意識の向上に資することとなった。これまでに防災セミナーを実施した箇所は120ヵ所にのぼる。日本・インドネシア両国の文化の特性を活かした交流を行うことによって、言語などの相違を超え心と心のふれあいを大切にした豊かな交流ができた。またそれらの交流を通して万国共通の課題である「防災」について考えたことは意義深い。殊に当事業で活用した日本の文化である「紙芝居」は「KAMISHIBAI」となってインドネシア各地で交流を紡ぐツール、防災教材、或いは日本語教材としても知られることとなったことは、当該事業に従事した者にとって望外の喜びである。今後も「文化と防災を軸とした交流」をキーワードとし、アジアから世界に向け、地域に防災文化を根付かせることの大切さを発信し続けたい。