2015年1月、日本、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピンの子どもたちによる音楽キャンプ及びコンサートを日本で実施した。 オーディションを通過した音楽的才能豊かな子どもや、児童養護施設(東京都石神井学園、聖園子供の家)の子どもら、国籍も異なる様々なバックグランドを持つ子どもたちが一堂に会し、お互いを認め合い将来への友情を結ぶことを目的に、音楽を通して交流を深めた。コンサートで発表するほぼすべての楽曲を国際コラボレーションとし、本番数日前に行う音楽キャンプで他の演奏者やダンサーと共に練習。その過程で、参加者らは互いの文化を理解し、国や言葉を超えて親交を深めた。
平成27年度実績 https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/ja/grant/pp1553/
- 関連する国/地域
- 日本, シンガポール, フィリピン, インドネシア, マレーシア
申請団体より
コンサート『チャイルド・エイド・アジア』シリーズは才能がある子どもたちの発表の場であるとともに、いろいろな環境で生きる子どもたちが言葉や文化の違い、経済的な格差を越えて1つの舞台に立つことで、人間は独りではないこと、一人ひとりがとても大切だということを学び、輝く明日への架け橋を築くことを目標としています。幸いなことに、過去の出演者がコンサートの時には裏方の手伝いとして、あるいは観客として戻ってきてくれていて、助け合う気持ちが子どもたちの心に根付いていると感じます。 6〜7人に1人の子どもが貧困状態におかれていると言われる現代社会で、いわゆる恵まれない環境の子どもたちにとって、食事、教育に続いてアート表現を知ることも重要だと、私たちは考えています。これは、その様な子どもたちの多くが文化的機会を喪失しがちであるということだけでなく、子どもたちが自分を見つめて自分を表現する方法、人とコミュニケーションを取る方法をあまり知らずに育ってしまうという危惧からくるものでもあります。暴力や自暴自棄、引きこもりなどに走らずに、アートを道具として自分を見つめ、自分を表現し、時には発散することの大切さを、コンサートを作る過程のワークショップやリハーサルで育むことを目指しています。 同時に、音楽的才能がある普通の家庭の子どもたちには、同じ社会に色々な環境の子どもがいること、そして彼らも自分と何も変わらない同じ社会の一員であることを学んで欲しいと考えています。外国からの参加者の中にも恵まれない環境の子どもが含まれますが、環境の違い、肌の色の違い、言葉や文化の違いは、実は魅力であり一緒に協力し活動をして、理解しあうことで大きなこと(コンサートの成功)が成し遂げられると参加者すべてが実感することが目的です。 音楽というユニバーサル言語を用いての文化交流が、若い世代の国際交流を促すだけでなく多様化が進む国際社会の担い手を育むことになれば幸いです。