本事業では公正で持続可能なアジア社会を実現するために課題を論じ合い、行動に転じる地域プラットフォームの立ち上げを目指す。二年目の活動として、第一に、国際セミナーを開催し、ユネスコによる三系文化財の教育実践への応用、タイの小学校での民話を通した環境教育などを事例に、人びとの意識変革に伝統知を活用する手法を理論・実践面で深化させた(参加者約50名)。第二に、タイ・チュラロンコーン大学をはじめ地域の高等教育機関などが共催する「バンコク・フォーラム」と関連勝層の企画・運営に加わり、市民社会が参加して知識を創造する意義や実例を検証した(参加者約800名)。第三に、持続可能な開発の先駆的取組みと政策提言をまとめた書籍の出版準備を進めた。
これらの活動によって、「持続可能な開発目標(SDGs)」の意義と限界が明確になるとともに、事業のネットワークが国際機関や高等教育機関に拡大し、これらをもってプラットフォーム立ち上げに向けた枠組みと基盤が強化できた。
2016年採択事業 https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/ja/grant/cc1629/
2019年採択事業 https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/ja/grant/cc1918/
- 関連する国/地域
- 日本, インドネシア, マレーシア, タイ, カンボジア, ラオス, ミャンマー, 韓国, インド, 米国
- 協力団体/協力者
- Ahmad Rifai, Kita Foundation
- Dicky Sofjan, Indonesian Consortium for Religious Studies
- Hezri Adnan, ISIS Malaysia
- Hiroko Aihara, Japan Perspective News, Inc.
- Mochamad Indrawan, Independent resercher and consultant for forest and climate change
- Nadarajah Manickam, Centre for Compassion Studies, School of Humanities and Social Sciences, Xavier University Bhubaneshwar
- Penchom Saetang, Ecological Alert and Recovery – Thailand
- Supa Yaimuang, Sustainable Agriculture Foundation
- Theodore Mayer, International Network of Engaged Buddhists Institute
- Toshiyuki Doi, Mekong Watch
- Yeoh Seng Guan, Monash University Malaysia
申請団体より
本事業の最終目的は、公正で持続可能なアジア社会の実現を視野に、地域が直面する課題を論じ合い、効果的な行動に転じるプラットフォームを形成することである。事業では、「市民関与」(civic engagement)と「変革学習」(transformative learning)を指針に、とりわけ市民による実践に着目し、その成果と教訓を新たなプラットフォーム形成の原動力とする。初年度は、様々な実践に取組むNGOや大学関係者間で経験の共有と意見の交換を行う地域ワークショップを開催し、地域の主な課題を抽出しつつ、市民のネットワークを構築した。二年目は、伝統知の活用を話し合う国際セミナーの開催及び知の参加型創造を推進する地域フォーラムの企画・運営への参加を通して、プラットフォーム形成に必要な枠組みと基盤を強化した。最終年は、インドネシア・ソロで、都市と農村の持続可能な連携を共通課題に、地域プラットフォーム「市民関与4.0」を起動する。行政・企業関係者との対話、若者の積極的な参加の実現が鍵となる。