Ideologies in Asian Bird Music-Dance: Unities in Place/Motion
アジアの一部の地域におけるバードミュジックあるいはバードダンス(鳥をテーマにした音楽や踊り)には、場所や動きに結びついた興味深いイデオロギー(世界観・価値観)が見られる。 タイにおけるGaruda(「聖なる鳥」の意)は、王室のダンスで、国王の庇護のもとにある。一方、Tai Yai(先住民)族の人々のGinggala(半分が鳥で、半分が人間の伝説上の動物)は、一般の人々に親しまれている。Tai Yaiの土着主義的なイデオロギーは境界を超越するもので、場所に関する新しい感覚 を取り入れたり、生み出したりしている。 ラオスでは、情報文化観光省のNouth Phouthavongsa氏が、音楽とダンスに取り入れられている Noi/Nok(という鳥)を理解するための(独特の)教授法を実践していた。彼女は、ダンスの授業を行う前に、まず子供たちに「A lady who is a bird(鳥おんな )」という歌を教えている。 マレーシアでは、ダヤク族の人々が、産業、木材伐採、森林破壊が恒常的に悪影響をもたらしているにも関わらず、鳥の伝統を伝えていた。彼らのbelajai(自己発見のための旅)とbe’iana(1つのルーツ)のイデオロギーは、はrajah beuh (ワシの踊り)を理解するのに役立つ。 最後に、日本では、Hantori Hunchikapというアイヌのバードミュジック・ダンスがあるが、これにはヒナに飛び方を教える親鳥など、鳥の子育てを描写する動きがある。私は、アイヌの人々の生活空間から生まれた彼らの視点と精神性に寄り添って、その音楽とダンスを調査した。
【報告書タイトル】
・The Royal and the Laymen Divide: Bird Music-Dances in Central Thailand as Markers of Place and Migration
・Not a Peacock But a Ginggala: The Tai Yai's Mythical Human-Bird in Places and Particularities
・Songs as Precedence to Dance: Understanding The Pedagogy of Learning Kinnari in Vientiane, Laos
・Incursions and Sustained Malaysian Bird Dance Traditions
- 主な活動地
- タイ:ブラパ、チェンマイ ラオス:ビエンチャン マレーシア:ペナン、クアラルンプール 日本:北海道、東京
- 受入機関/協力者
- Sanchai Uaesilapa (ブラパ大学 音楽学部長)
- Khampheng Thammavongsa (ラオス国立音楽学校 音楽理論・作曲学科 学部長)
- Anis Nor (Nusantara Performing Arts Research Center (NusPARC) マネージングディレクター)
- 北海道博物館アイヌ民族文化研究センター