東南アジア舞台芸術における同時代性と伝統文化
アジアにおける「同時代性(contemporaneity)」とは何か。例えば、日本の「コンテンポラリーダンス」には、日本の伝統的舞踊文化の要素がまず見られないのに対して、インドネシアの場合には、西洋のダンスよりも伝統舞踊の要素が多く使われている。本プロジェクトは、東南アジア三カ国(フィリピン、インドネシア、マレーシア)における「同時代的」な舞台芸術の中で、伝統的な要素がどのように扱われているのかを具体的にリサーチする事を通じ、(1)現代の東南アジアにおける舞台芸術状況の理解を深め、(2)それが日本を含むアジア全体の状況の中で占める位置を見定め、(3)相互理解に基づく日本・東南アジア舞台芸術関係者の継続的なネットワークの構築に貢献する事を目的としている。 島嶼部東南アジアに属するこの三カ国を選んだのは、東南アジア諸国の中でも同時代的舞台芸術が比較的盛んであり、また植民地支配とそこからの独立をめぐる歴史的過程に近似性が見られる為である。後者はアジアにおける「同時代性」を理解する一つの鍵となるだろう。また、他のアジア諸国の同時代的舞台芸術における伝統文化の位置を知る事は、日本における作品づくりへの刺激にも成りうるだろう。
- 主な活動地
- フィリピン:マニラ インドネシア:ジャカルタ、ジョグジャカルタ マレーシア:クアラルンプール、ジョージタウン
- 受入機関/協力者
- Sarah Therese Salazar (Sipat Lawin Ensemble 運営事務局長)
- Jala Adolphus (SET Workshop プロデューサー)
- Tan E-Jan (Toccata Studio プロデューサー/創設者)