東京に拠点を置くthéâtre Muiboとインドネシア・バンドンのBandung Performing Arts Forum (BPAF)との長期協同プロジェクト。 今回はその1回目。アジアに位置する同じ島国の一大都市でありながら、人口の減少と超高齢化が進む日本と、平均年齢が若く人口が増え続けているインドネシア。二つの都市の「過去・現在の現実」を歴史的・文化的に考察することで、それぞれの国の未来の姿とアジアの島国としてのアイデンティティを再考し、各カンパニー特有の創造アプローチによってワーク・イン・プログレス形式で舞台作品に昇華。 第一弾となる今回は、Muiboがバンドンに9日間滞在し、BPAFと共にリサーチとディスカッション、ワークショップを経てショーケースを行なった。バンドンに住む人たちへのインタビューやアンケートに加え、その場所に伝わる伝説や昔話を元に創作を進める。ショーケース後には、観客とのディスカッションを行ない、交流だけではなく、次回へとつながる新たな課題や発展させるテーマを見出す機会とした。
令和元年度採択事業 https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/ja/grant/cc1921/
- 関連する国/地域
- 日本, インドネシア
- 協力団体/協力者
- Bandung Performing Arts Forum (BPAF)
申請団体より
まず、助成が創造活動に与える可能性の大きさを改めて実感した。今回、バンドンがMuiboにとって特別で貴重な街になったことは明らかであり、BPAFメンバーにとっても東京が同様であると感じる。同時に、それぞれの国の歴史や両国の関係性について、よりしっかりと向き合っていく必要があると痛感した。これは、相互理解という点でも、本プロジェクトとしても要となる部分であり、助成がなければ希薄な感覚で終わっていたかもしれない。 今回は短期間だったため、良くも悪くも大胆さによりショーケースまで進めることができたが、次回は長期だからこそできる、創作過程におけるコンセンサスの取り方を丁寧に探り、お互いの関係性と創造スタイルをより深く探り、生かしながら、この共同でしかなし得ないスタイルにこだわりたい。また、BPAFに来日してもらい、彼らの目を通した東京・日本を知る機会も不可欠である。バンドンと東京だけでなく、両国の他都市でも上演することも視野に活動を続けていきたい。