タイから琉球王国経由で日本にもたらされた焼酎をモチーフに、アジア諸国と日本との窓口として機能していた15世紀ごろの琉球及び周辺の歴史に着目した作品である。沖縄がいまでも「日本」という国にとっての世界の入口であるのではないか、という仮説をもとに、マレーシアのアーティストのマーク・テとともに、2019年度に琉球諸島とタイでリサーチを実施。戦後のアジア近現代史を読み換え、日本とアジアの歴史再発見の機会となることを目指した。
2020年7月に劇場版作品の発表を予定していたドイツの芸術祭、フェスティバル・テアターフォルメンが新型コロナウイルスの感染拡大の影響でオンライン開催へと変更になったことに伴い、本企画ではオンライン作品シリーズとしてさまざまな形式で新たに創作・発表することとした。映像作品『カオカオクラブ.mp4』では、バンコクで活躍するアーティスト集団「B-Floor」のジャールナン・パンタチャートを出演者に迎え、コロナ禍で海外渡航ができない状況においても、国際交流を継続し創作を試みた。
プロジェクト関連ウェブサイト https://khaokhaoclub.com/home/
- Related Countries
- Japan, Malaysia, Thailand
- Co-organizer(s), Cooperator(s)
- Jejak-旅 Tabi Exchange
- B-Floor
- 国際交流基金バンコク日本文化センター
From the Organizer
新型コロナウイルス感染症の影響によってオンラインでの作品創作となったが、演劇というジャンルに囚われず挑戦することで、領域横断的な活動となり、今後の創作の幅を広げる大きな糧となった。一つのテーマで三つの形式で作品を発表し、約半年間にわたり作品発表に取り組むことで、オンラインでの作品創作・発表の一つのモデルを提示できた。コロナ禍であっても創作の手を止めず、形態を変更してオンラインでの創作・発表を先導して行なったことは、次世代のアーティストにとっても刺激や励みとなったのではないかと考える。
また、マーク・テとの協働や、バンコクで活躍するジャールナン・パンタチャートの出演により、国間の往来が難しい状況下であっても、オンライン上でのコラボレーションが可能であることを示した。今後も、言語や文化の壁を飛び越えた創作を続け国際交流を継続させていきたい。