2020年、コロナウイルスの世界的な流行とともに始まった新時代の国際協働プロジェクト「テラジア|隔離の時代を旅する演劇」。お寺で上演するための演劇『テラ』を基に、アジア各地で現代の信仰や死生観をテーマとしたシリーズ『TERA』を展開している。
2021年11月、テラジア初のオンラインフェスティバル「テラジア オンラインウィーク2021」を、10日間にわたり開催した。日本・タイ・ミャンマー・ベトナム・インドネシアのアーティストや研究者による、3つの作品、6つのトーク(事前収録と生中継)、4つの書き下ろし寄稿を含む多様な読みもの(Web記事)を、日本語・英語の通訳/翻訳付きで公開。作品は日本・タイでそれぞれ制作・上演した演劇作品の映像2本と、世界各地の一般参加者がバーチャル空間でコラボしたアート作品の映像1本。イベント特設サイトには、日本を含むアジアの他、欧米、中東など34カ国からのアクセスがあった。
公式ウェブサイト
https://terasia.net/event/onlineweek2021/
令和2年度事業実績
https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/ja/grant/pp2007_1/
申請団体より
2021年11月、日本では新規感染者数が激減し、街に出る楽しみが戻りつつあった。しかし、アジア各地の「テラジア」コレクティブとの協働で、まだまだ「隔離の時代」の渦中にある世界の現在を強く感じた。ベトナムは地域ごとのロックダウンが長引き、タイの参加者は反政府デモやワクチン接種の現状を語る。ミャンマーは民主的な社会を取り戻す闘いの渦中にあり、芸術活動に大きなリスクを伴う。オンライン上に互いの作品を鑑賞し、議論や交流によって感覚・思考を刺激し合う安全な場を創出できたことで、国際協働が続けられる喜びを更新・共有した。また観客にとっては、作品だけでなくトークや読みものを通して作り手の思考に触れる機会となった。「テラジア」の特色は、不確実な時代にゆるやかな繋がりを保ち、広げ、企画そのものが変容してゆくことにある。今回生まれた様々なアイデアを基に、2023年インドネシアでの最終イベント開催に向け、交流と活動を深めたい。