アジア舞台芸術へのあたらしい視点の発見と、未来につながるネットワークづくりを目的とした3年間の継続プログラムの最終年である今年は、「モノガタリ―Once Upon a Time」を副題に据え事業を実施した。
東南アジアを中心に各国から次代を担うアーティストを招き、「登場人物はふたり、舞台装置はひとつの机とふたつの椅子だけ、上演時間は20分」の共通する制約のもと創作した作品の上演、という企画の核はこれまで通り引き継ぎつつ、以下のプログラムも行った。
・参加者が内容を決めて行う、デモンストレーション
・観客も対等な立場で参加をする、オープンディスカッション
・3年間の企画をまとめる、シンポジウム
・作品上演と、観客を交えてのポストパフォーマンストーク
シンポジウムでは、事業の振り返りを行うと共に、昨今のアジアの文化・芸術の流れを紹介した。当事業は今年でひとまず終了となるが、各プログラムの内容を通じて3年間の実りを実感する開催となった。
平成29年度実績 https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/ja/grant/cc1731/ 平成28年度実績 https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/ja/grant/cc1607/
- 関連する国/地域
- 日本, シンガポール, フィリピン, インドネシア, ベトナム, カンボジア, 香港, 台湾
申請団体より
事業を通して自国を含めたアジア各国の文化・芸術を知ることで、類似点や差異、優れた面を理解すると共に、それぞれが抱える課題を知ることができた。国によっては技術や資金であったり、その他の事情であったり、様々な理由によって、当事業のように他国と協働することで初めて挑戦が叶う表現があることも知った。 たんなる表面的な文化交流にとどまらず、各国の状況が文化・芸術に与える影響を実感できたことは、3年間継続して事業を行い、様々な国の多くのアーティストと出会い、会話をし、共に創作を行ったことで得た成果である。また、互いの課題を知ったことで、足りない部分を補い合う可能性を見出すことができたが、それこそがまさに当事業の目的である、未来につながるネットワークの構築であり、アジア舞台芸術のあらたな表現をつくり出す結果につながっていくと思う。 当事業の開催は今年でひとまずの締めくくりを迎えたが、事業を通して得た関係を維持し、新たな展開を模索していきたい。