シンガポール国立大学東アジア研究所、インドネシア大学国際関係学部、グローバル・フォーラムとの共催により、2015年12月9~11日に東京にて「日・東アジア対話 東アジア地域協力の新地平-複合リスクを如何に乗り越えるか-」を開催した。日本、ASEAN他より総勢86名が参加し「開幕夕食会」から「非公開昼食会合」、公開による「オープニングセッション」「セッションⅠ:東アジアが直面する複合リスクの現状と課題」「セッションⅡ:東アジアに求められるリスクマネジメント型地域協力の増進」「非公開政策提言起草会合」まで、多彩な対話を行った。また対話の前には、2015年9月13~21日まで本事業の主査である伊藤剛・明治大学教授をインドネシア、シンガポール、ベトナムに派遣し、主に共催機関と協議を行って本事業の成果である「政策提言」を取り纏めた。
平成28年度実績 https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/ja/grant/cc1620/
- 関連する国/地域
- 日本, シンガポール, フィリピン, インドネシア, マレーシア, タイ, ベトナム, カンボジア, ラオス, ミャンマー, ブルネイ, 韓国, 中国, 英国, ベラルーシ etc.
- 協力団体/協力者
- シンガポール国立大学東アジア研究所
- グローバル・フォーラム
- インドネシア大学
申請団体より
本事業で実施した「対話」では、こうした会議では珍しいことであるがASEAN+3各国すべての国から1名づつ代表者が参加し、日本とASEAN+3各国との貴重なプラット・フォーム構築に多いに寄与した。また、本「対話」は、英エコノミスト誌の著名なコラムニストSimon Long 氏がわざわざ来日して「対話」に参加し、積極的な発言を行い、他にも駐日ベラルーシ大使をはじめ、複数の在日本大使館の関係者が参加した。これらの参加者よりは、総じて本「対話」のテーマ設定の充実さおよび重要さが指摘され、本対話の意義が改めて浮き彫りになるとともに、アジア以外の地域も巻き込んだプラット・フォームの構築の第一歩を築くという予定以上の成果も得ることができた。
また事業の成果として、ASEAN側と共同で、複合リスク対処のために、地域的対応の必要性、既存の体制の強化と新たなフレームワーク創設の検討、ガバナンス強化とそれらを各国家において活用することの重要性、軍事の適切な活用、人間の尊厳などを重視したリスク管理の検討、などを盛り込んだ政策提言を取り纏めることができた。複合リスクに対する今後の対応のあり方を、ASAN+3の著名な有識者を中心に取り纏めて発表できたことは大きな成果である。このような成果をあげることができたのも、一重に国際交流基金アジアセンターの助成の賜物であり、深く感謝するとともに、同助成の国際社会における重要な意義が明らかにされたといえる。