写真民族誌/民族誌へのいざない:軍政期から民政期へ 多民族国家ミャンマーの人と暮らしを撮影記録
ミャンマー北西部ザガイン地域(管区)― インド国境附近を中心に同地域を写真撮影・記録するプロジェクト。2011年に軍政から民政移管したミャンマーからは今、主に経済情報の発信が続く。しかし、半世紀に及んだ軍政期の人びとの暮らしはどのようなものだったのか。民族や宗教、歴史や文化が複雑に絡み合う同国にあって、地方に暮らす人びとの生活実態を記録した写真の数は少ない。宇田はこれまで25年かけてミャンマー全土を踏破し、各地で写真を撮影してきたが、このザガイン地域北西部だけは未踏地であった。民政移管前と移管後、町の風景や社会風俗はどのように変わったのか、あるいは変わらないのか。写真には文字にはない情報が含まれ、記録写真があるからこそ見えてくる事実の再発見が期待できる。写真は、撮影者の意図を超え、見る人よって異なる民俗を「発見」したり、各々の物の見方に影響を与えたりすることにもつながる。
- 主な活動地
- ミャンマー:ザガイン地域