ギルイェルモ・トレンティーノを通して見えてくるフィリピンのスピリチュアリズムと創造性
ギルイェルモ・トレンティーノは、フィリピンのナショナルアーティストで、1920年代から亡くなる1976年まで国を代表する彫刻家として活躍した。マニラにあるボニファシオ記念像やフィリピン大学のオブレーション像の作者として知られるこの彫刻家が、スピリティスタとしてスピリチュアリズムに深く傾倒した人物であったことはフィリピンでもあまり知られていない。1937年の著作『Ang Wika at Baybaying Tagalog』でトレンティーノは、タガログ語の音声やバイバインの記述方法が自然や宇宙とどのように結びついているのかということを、ポエティックな古タガログ語で記している。 本プロジェクトでは『Ang Wika at Baybaying Tagalog』を読みときながら、彫刻家であるトレンティーノとスピリティスタであるトレンティーノをつなげて新しいトレンティーノ像を見出してみたい。また、その背景にあるフィリピン社会の特性、社会に根付く宇宙観・宗教観を創造性の現れという視点で調べていく。これらの調査活動と同時に作品制作・発表活動を行い、リサーチをベースにした美術作品の表現方法の可能性を探る。
2016/11/8 - 2016/12/7は私費にて活動継続
- 主な活動地
- マニラ、バギオ、サンタローザ、シキホル島
- 受入機関/協力者
- Artery Art Space