マレーシアのBukujalanan chow kitに所属する移民や難民の問題を背負う家庭の子供達と、日本のフリースクール玄海に所属する不登校の生徒達による国際交流をオンラインにて行った。学校に行ける環境はあるのに行かない選択をしている日本側と、学校に行きたくても、社会のシステムによって行けない状況を強いられているマレーシア側。学校に行けないという共通の課題を持ちながら、異なる言語や環境下で非言語コミュニケーションであるダンスという芸術的な手法を用いることで生まれる交流の様子を観察した。 通訳は各国に手配し状況に応じて言語設定を変更出来るようにしたが、ZOOM機能の一つであるブレイクアウトルームの性質を有効活用するため、各国8つのデバイスを準備し、2人組に分かれてそれぞれのデバイス内でコミュニケーションを取った。 その様子は各国で記録し、それぞれの映像作家が編集した映像2種類を公開することで彼らの抱える問題と現状を世界に向けて問題提起し、今後のオンラインの活用法についても探求する。
令和2年度事業 https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/ja/grant/pp2012_1/
- 関連する国/地域
- マレーシア
- 協力団体/協力者
- Buku Jalanan Chow Kit
- マニシア
- 長津結一郎
- 泉山朗土
- フリースクール玄海
申請団体より
ブレイクアウトルームでは通訳者や大人の助けを得ずに、子供達同士だけでコミュニケーションを取らざるを得ない状況を作ったことで、興味深い表現や多様なコミュニケーションが生まれた。 特に印象的だったのは、最終的に両国の子ども達が名前を呼び合ったり、ネームシールを画面に向けてアピールしたりしていたところ。コロナ禍という状況で外出や行動の制限があるのは各国とも同じだが、コロナ禍であろうとなかろうとマレーシアの子ども達は長距離の移動が叶わない。そんな彼らが「日本の友達が出来ました。」「日本の文化に触れることが出来ました。」と興奮気味に語り、全身でコミュニケーションを取っていた姿は何よりの成果である。日本側は受け入れられることの喜びを感じ、マレーシア側は自分の表現や自分の意見を伝えることに自信を持つことが出来た。今後は異業種の専門家を交えたフォーラム形式での実施を検討。現地での交流も目指したいが、オンラインでの交流こそを必要としているターゲットが居るということを痛感した。そのためには安定したネット環境、専門的な技術者や機材のサポートは欠かせないだろう。