当会は、アジア諸国のアーティスト、プロデューサー、翻訳家、研究者、映画監督など舞台芸術に関わるメンバーを中心に、さまざまな分野やセクターの人々を巻き込み、対話や交流を重ねながら、作品づくりやネットワーク形成を行っている。本事業では、マレーシア、シンガポール、ベトナム、タイ、インドネシアの舞台芸術関係者や文化施設等を訪ね、「アジア、女性、舞台芸術」をテーマに、それぞれの地域の歴史、文化などについても学びながら、各国の舞台芸術の状況を調査した。また、出会ったアーティストらとの対話や交流を継続し、成果やプロセスを「第2回アジア女性舞台芸術会議」や「亜女会交流会2017」の開催を通じて、広く公開・発表した。同会議や交流会においては、アジアの女性パイオニア舞台芸術家についての勉強会、マレーシアとの対話と交流をもとにした家族や女性の生き方を問う舞台作品『ファミリー』の上演、各国の調査やキーパーソンからの公開プレゼンテーション、ラウンドテーブルを通じた意見交換などを行い、「アジア、女性、舞台芸術」をテーマとした多国間の交流基盤を構築した。
平成29年度実績 https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/ja/grant/cc1714/
- 関連する国/地域
- 日本, シンガポール, インドネシア, マレーシア, タイ, ベトナム
申請団体より
本事業を通じて、アジア6カ国の演出家、プロデューサー、俳優、研究者などさまざまな舞台芸術の専門家たちと対話や交流を深めることができ、「アジア、女性、舞台芸術」を考えるプラットフォームの基盤を作ることができた。また、これらの対話と交流を通じて、アジアにおけるネットワーク・連携の強化や、共通の課題を提起する新しいプロジェクトの立案や実践につなげることができた。これらのプロセスを通じて、民族・社会・言語・文化・歴史などの異なるアジアの女性やさまざまな声を拾い集め、芸術交流ならではの表現やクリエイションによるアウトプットをもたらすことができた。中でも、現地訪問、アーティストや研究者との交流などを重ねて創造した舞台作品『ファミリー』の制作においては、舞台芸術という手段がさまざまな人々をつなげる媒体として有効であるということが明らかになった。一方、複数のプロジェクトやアイデアが生まれ、それらを継続して形にしていくこと、また持続可能なプラットフォームやたくさんの人が参加していくための仕組みや人材が課題である。