フィリピン、アブラ州の農村にてフィリピンと日本の生産者の交流事業を生業と持続性の視点から行った。持続可能な農業と交流として2020年2月5日~2月10日まで日本の自然農法研究家と養蜂家が参加しADTEMPCO(Abra Diocesan Teachers and Employee Multipurpose Cooperative)の農業部門であるIFS(Integrated Farming System)部会の会員の農場や農村を訪問した。IFS部会の会員は野生ミツバチからハチミツ採取を行い、自然と共存する生活を送っていた。日程の終盤にIFS部会員68名を対象に、自然農法研究家と養蜂家の視点から持続可能な環境保全型の農業に関するセミナーと交流会を持った。 さらに、2月12日~2月16日まで日本の織物の専門家が参加し、農村女性の行う副業の理解と交流のために伝統的織物、草木染及び、Saranay織物組合、Bucay縫製組合、竹籠編みや土器づくりを行う女性たちを訪問した。日程の終盤に女性たち32名を招き、彼女ら同士の交流と日本への理解を深めてもらうべく日本料理を振る舞う交流会を持った。
- 関連する国/地域
- 日本, フィリピン
- 協力団体/協力者
- Abra Diocesan Teachers and Employees Multi-Purpose Cooperative (ADTEMPCO)
- Integrated Farming System(IFS)
- サラナイ 織物組合
- ブカイ縫製組合
申請団体より
アブラ州の気候は、1年の約半分が乾季であり、農民は厳しい乾季を生き抜くために、複合農業を選びつつある。これら複合農業のIFS部会の会員の自然と寄り添いつつ農業を行っている農地を巡った。セミナーでは熱心な議論が交わされ、交流会では農民たちによって子豚の丸焼きが振る舞われるなど、最大級のもてなしを受けた。彼らへの訪問が彼らの励みになり、日本側の参加者も彼らの逞しい生き方に励まされ、相互に元気づいた。 農村の女性たちとの交流は、機織りや草木染、縫製、竹籠編み土器づくりなど多岐にわたった。女性による副業の数々は、女性ができる限りのことをしながら、雨季・乾季を通じて家族が生き抜いていくための生業であった。とりわけ織物組合のメンバーの家々からは、機の音が響き熱心な生き様が垣間見られた。今回我々が訪問し、交流会を行ったことでアブラ州の離れた地域にある織物組合と縫製組合の間に絆が生まれた。計画から波及的に良い交流が生まれ、女性たちの発展の芽を得たことは、我々コーディネーター側にとっても大きな喜びであった。 これらの農業交流や農村の女性のとの交流から、元気づけられ、喜ばしい経験を得る機会を参加者や関係者一同に与えてくれた本助成に大いに感謝を表したい。