ろう×セクシュアルマイノリティ全国大会は、全国のろう者かつLGBTQ(以下ろうLGBTQ)とそのパートナー・家族、そして専門の手話通訳を目指す人々が年に一度集結し、議論・情報交換をし、情報格差を解消するとともに、同じ悩みを持つ者同士が交流を図ることを目的としている。 2019年11月に福岡市で開催した第5回大会では、フィリピンのろうLGBTQ団体「Pinoy Deaf Rainbow」の代表および副代表、「ろう女性の健康や権利を守る団体(Filipino Deaf Women’s Health and Crisis Center)」代表の3名を招へい。フィリピンのろうLGBTQに対するサポート体制や団体としての課題、解決方法について講演やワークショップを通して互いの国が抱える課題について理解・共有を深めた。
平成30年度アジア・フェローシップ https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/ja/fellow/fs1811/
- 関連する国/地域
- 日本, フィリピン
申請団体より
日本のろうLGBTQ当事者たちが、フィリピンのろうLGBTQ当事者たちと交流を持つことで、自己受容が高まり、ろう団体への積極的な働きかけ等へと結びついていく方向に進むことができた。また、第5回ろう×セクシュアルマイノリティ全国大会では福岡や京都でプレ企画を実施した他、Facebookのライブ映像を通して直接参加できなかった当事者以外の人たちにも広く伝えることができた。 一方、フィリピンのろうLGBTQは、フィリピンにはごく少ない民間の「助成金」制度を活用した日本のろうLGBTQの活動に触れることで、今後の新しい活動の方向を見出していくだろう。 そして、この日本とフィリピンのろうLGBTQ当事者同士の交流は、二国間だけにとどまらず、周辺の韓国や台湾、あるいはタイといったアジア諸国のろうLGBTQコミュニティにも波及し、いずれは全アジア規模での交流へと発展していくことを十分に期待させるものとなった。