Thinking in Critical Constellations: art criticism practice and its condition in Indonesia, Philippines, and Japan
アートスペース・展覧会・壮観なショー・フェスティバル・イベントの数が増えている一方、 芸術批評は、芸術の栄光の仲間入りをしているようには決してみえない。それどころか、せいぜい的外れか、悪ければ廃れる運命にあるとみなされている。芸術批評の有効性や妥当性については、西洋の芸術世界でのみ共感を呼んでいるようである。そこでは、芸術批評は古くからの書き記した伝承物と芸術史文献の恩恵を受けている。しかしアジアの多くの国では、芸術批評や批判的な考察はわずかに存在しているか、あるいは全く存在していないようにみえ、芸術制作とのバランスがとれていない。 それぞれの国における芸術批評の状況、つまり、文化的または政治的な状況、哲学的背景、教育制度などを理解することが、歴史、文化的障壁、及び社会的環境といった深い霧の中の道を照らすの助けになるだろう。こうした状況は、芸術に関する批判的な思考を育てる手助けとなるか、あるいはその障害となるかのいずれかであると考えられる。 本研究は、芸術批評の従来型の、つまり定着している基盤を特別に探求している訳でも、 少数の人にしかわからない難解さをもっぱら賛美し、インパクトと鑑賞者を軽視している文化にとらわれている芸術批評を特別に探求している訳でもない。むしろ、どのような状況において、芸術に伴う/芸術を通した/芸術の中の批判的思考の機能が可能になるか、そして、大衆のために芸術が批判的な対話や批判的な問いの力強い基盤になることを可能にするのはどのような実践においてであるかをより広く観察し、自由に(さらには、独特の方法で)学ぶことを目指している。
- 主な活動地
- インドネシア:ジョグジャカルタ、ジャカルタ、バンドン フィリピン:マニラ 日本:東京、京都、広島、福岡