当事業は、漆器産地における漆工芸教育支援交流活動を通し、日本とアジアの相互理解を深め、漆工芸の発展を目指す目的で、2002年(平成14年)にスタートした。ミャンマー・バガンの漆芸技術大学と漆器業者を中心に現在に至るまで活動を継続している。また、これまでにカンボジア、ラオス、タイ、ベトナム等の漆工芸のある国々へ活動範囲を広げ、展覧会、講演、公開ワークショップ等を通して、漆工芸の可能性・素晴らしさを伝え、日本とアジアの漆文化の発展に貢献したいと交流活動を行っている。 2017年は、ミャンマー最大の漆器産地であるバガンの漆芸技術大学・ミャンマー漆器組合の協力を得て、9月に東京藝術大学ASEAN交流事業チームとともに、日本・ミャンマー、そしてアジア各地から漆工芸研究者・漆芸家・漆器生産者が集まり 1・交流展示, 2・講演, 3・技術体験ワークショップ, 4・漆器産地見学セミナー等のプログラムを実施した。
平成27年度実績 https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/grant/pp1528/
平成28年度実績 https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/grant/pp1619/
- Related Countries
- Japan, Thailand, Vietnam, Cambodia, Laos, Myanmar, 台湾, 米国, 中国
From the Organizer
展覧会では各国の漆芸作家や漆器制作者による漆芸作品の展示を行った。講演では日本やミャンマーの漆芸技術について、アジアの漆芸現状について、そして各国の漆芸教育について発表があった。公開ワークショップでは日本・中国・台湾から参加した学生を中心に、ミャンマーの伝統漆芸加飾技法の金箔絵と蒟醤を体験していただいた。ワークショップの後にはミャンマーと各国の漆を学ぶ学生間の交流企画を開催し、情報交換を行い漆工芸の将来について語り合うことができた。漆器産地見学セミナーでは、バガンの漆器業者や職人の工房を複数訪問し、ミャンマー漆芸の現状を直に見ることができた。 現在まで進めてきた日本と東南アジア各国との交流が浸透し、さらに中国、韓国、シンガポール、台湾、欧米へと参加者が増えより多国間交流になってきている。各国の参加者が、当事業に興味をもち、この事業に参加することで、漆工芸に関する知識を得て、技術公開やワークショップを通し専門的な漆技術を体験し、交流を通し漆文化への理解を深めようとする動きがより広がっていると感じている。