漆工芸はアジア独特の工芸であり、かつては日本、中国、韓国の他、東南アジア各国の漆器生産地にて生産されていたが、現在では衰退の一途を辿っている。漆芸制作に携る漆器生産者や漆芸作家とともに、漆器組合、漆器生産者、漆芸を学ぶ学生等の他、広く一般の人々を対象に漆工芸の価値を再認識する目的で、漆工芸の専門的技術・知識をもった協力者とともに、各国の漆工芸表現や技術に関する交流プログラムを実施した。 事前研究会として2015年8月にカンボジア・シェムリアップにて、レクチャーとセミナー、さらにディスカッションを開催。2016年2月には、タイ・チェンマイでレクチャー、ワークショップ、技術公開、展覧会、パフォーマンスを行った。展覧会の参観者は約1,500名。その内タイ国外からの参加者は日本、中国、台湾、ミャンマー、ベトナム、ラオス、カンボジア、アメリカから約80名にも及んだ。
平成28年度実績 https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/grant/pp1619/
平成29年度実績 https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/grant/pp1714/
- Related Countries
- Japan, Thailand, Vietnam, Cambodia, Laos, Myanmar, 台湾, 米国, 中国
From the Organizer
タイ国内だけでなく、東南アジア、近隣国からも多くの参加者があった。漆に魅力を感じ興味をもちつつ、漆文化の存続の危機を感じている表れではないだろうか。参加者同士で漆の魅力を語り合い、共感し、情報交換ができ、漆を通した友情の輪がより広がり、その結束は固くなってきたように感じる。タイ国内からも予想以上に多くの参加者があり、特にタイ各地から多くの学生が訪れたことは、次世代への漆の継承が期待できると感じている。 事業の規模が大きくなるにつれ、組織や限られた予算であること等、運営面の改善が求められる段階になってきたことを痛感している。平成28年度はベトナムのハノイで、平成29年度はミャンマーのバガンで活動を継続することになった。チェンマイでの事業を通し、より実り多い活動となるよう、プログラムを精査していくつもりである。