アジアを拠点に活動する舞台芸術の人材を対象とした、オンライン形式の育成プログラム(アートキャンプ)を約2ヶ月間実施した。公募によって選ばれた参加者は、マレーシア、シンガポール、マカオ、フィリピン、インドネシア、台湾、日本の7地域から計8名。それぞれが普段から持ってる問題意識やリサーチしたいテーマを持ち寄り、それをこのキャンプの中で深堀りをし育て、期間最後に成果発表を行った。個々人としては地域でのフィールドワークやリサーチをしつつ、二人のファシリテーターや他の参加者とのオンラインディスカッション(計12回)で考えを磨いた。この間に外部講師によるレクチャー(一部一般公開)やワークショップも実施し、客観的な視点や説得力を持たせるアイデアを見つける機会とした。最終発表は、参加者同士でグループを組んだプレゼンの形態とし、小さな共同制作の場とした。一方で、期間途中の活動を広報記事として紹介したり、日本の若手舞台関係者の見学を受け入れたりと、育成の経過公開も行った。
Asian Performing Arts Camp 最終公開プレゼンテーション | 東京芸術祭2021
https://tokyo-festival.jp/2021/program/camp/
- Related Countries
- Japan, Singapore, Philippines, Indonesia, Malaysia, マカオ, 台湾
- Co-organizer(s), Cooperator(s)
- Junnosuke TADA (Tokyo Festival Farm Director)
- JK Anicoche (Asian Performing Arts Camp Facilitator)
- Keiko YAMAGUCHI (Asian Performing Arts Camp Facilitator)
- Art Translators Collective (Communication Design Team)
From the Organizer
参加者は多様性に富んだ顔ぶれだが、それぞれが自分自身のいる地域の文化や活動を紹介し、フィールドワークの経過を見せ合うことができたのは現地の状況を見ることができるオンラインならではだった。直接集まることができなくとも、異文化の者同士が共同し繋がっていくためにはどのような手順や工夫が必要なのかを実践的に学べ、信頼をもってアイデアを提供しあう関係性が築けた。これによって舞台芸術の創作手法としてだけでなく分野や国境を越えた共同活動の感覚を得ることになった。参加者の中からは、このキャンプで育てたアイデアを作品として外部のフェスティバルで発表していたり、参加者同士で共通の課題に取り組んだりしている。運営側としても、今後の同事業のファシリテートやディレクションを担ってもらうことも検討している。また、助成を受けたことで翻訳や通訳といった事業を外に開いていく部分を強化できた上、外に開くことに意識を高く持つことにもつながった。