本事業は、滞日インドネシア人(技能実習生や漁船員等)と気仙沼市民の双方を主体とする顔のみえる交流会「インドネシア・デイ」を組織することを目的とした。「インドネシア・デイ」では、互いのものを目にすることは多いが経験することの少ない伝統衣装や芸能等の相互体験を軸とし、その経験をきっかけとして両者が互いの文化を語りあい、これからの同市の多文化共生のあり方を展望した。
具体的に行ったのは、1)伝統衣装交流会、2)芸能交流会、3)復興過程および気仙沼・インドネシア交流の写真紹介、4)次世代間の共生対話である。滞日インドネシア人のうち技能実習生の大半は20代前半である。この交流会では、かれらと次世代を担う市民が、気仙沼市を舞台とする多文化共生と、震災後10年の節目から先の10年、すなわち「ポスト震災10年」に向けた復興のあり方を構想する力を支援することを目指した。
- Related Countries
- Indonesia
- Co-organizer(s), Cooperator(s)
- 気仙沼インドネシア友好協会
- 東洋大学社会学部国際社会学科
- 南山大学外国語学部アジア学科
- 特定非営利活動法人APLA
- 合同会社タロタン・テテスマニス
From the Organizer
本事業では、滞日インドネシア人、気仙沼市民、東北各地の外国人技能実習生ら約700人もの来場者を得ることができた。終了後は、多くの方から、これまでにない貴重な国際交流の機会であったとの評価を得た。「憧れの着物を着て日本の若者と一緒に写真がとれて楽しかった」(インドネシア人技能実習生の女性)、「〔気仙沼の〕大事な友人であるインドネシアの人びとと国や文化を知るとても良い機会。定期開催を検討願います」(気仙沼市長のツイッター)といった言葉を心から嬉しく受けとめた。本イベントでは、インドネシア研究者のみならず、二十歳前後の市民や学生ボランティアも多数参加した。滞日インドネシア人の多くはかれらと同世代である。これら日本・インドネシアの同世代の若者がともに文化交流イベントをつくりあげ、そこで関係を深めた。このことは、両国の将来的な友好を発展させるうえで、間違いなく大きな意味を持つことになるだろう。