チリウン川(ジャカルタ市)の清流化を支援する多摩川・チリウン川環境ボランティア交流事業

  • アジア・市民交流助成
採択年度
令和元 (2019) 年度
助成額
JPY 692,640
活動国・地域
インドネシア

多摩川とチリウン川の環境保護団体の交流事業。NPO法人 多摩川エコミュージアム(川崎市)とクリーンチリウンムーブメント(ジャカルタ市)を中心に、汚染されたチリウン川の清流化に向けた方策を話し合った。

チリウン川は、工場排水はもちろん、生活排水、し尿などの流入に加え、川自体がごみ捨て場になっているため汚染と悪臭がひどい。一方、多摩川もかつては汚かったが、定期的なごみ拾いなど清流化を求める市民運動と、行政による下水道の建設で清流を取り戻した。この経験を生かして、チリウン川の清流化にを支援した。

本事業実施前にも2年にわたって、相互に訪問して合同で川のごみ拾いをし、川の清流化をめぐって意見交換してきたが、今回の訪問ではチリウン川流域の中学生に出前授業を行った。授業内容は、多摩川がどのように清流を取り戻したかという具体的なエピソードや体験談で、ごみのポイ捨てをやめようとか、自然を大切になどを呼び掛けた。また、チリウン川上流、中流、下流のそれぞれの環境保護団体に川の水質検査のパックテストを提供し、定期的な水質検査を依頼した。出前授業の展開や小型焼却炉の設置、行政への働きかけなど今後の方策について議論を深めた。

関連する国/地域
日本, インドネシア
協力団体/協力者
GCB Ciliwung Center
ジャカルタお掃除クラブ

申請団体より

日本とインドネシアの友好親善の拡大強化は、戦後一貫して国際関係の重要な課題である。 実際に、自動車からアニメ、地震対策まで、幅広い分野で交流が実現しているが、実態は9割が日本からの進出であり輸出での支援である。多摩川とチリウン川の交流も、広い意味でそうした流れの一環と言える。
私たちの交流の独自性をあげるなら、自然保護分野という点だろう。急激な経済発展が自然破壊を引き起こすことは古今東西、世界共通だ。川の清流化は経済成長と自然保護の調和の問題であり、国民生活に即していえば、衛生問題である。 日本は深刻な公害を克服してきた。その努力と苦労とを、役に立てたいと思う。
今回、チリウン川でも初めて小魚を放流したが、チリウン川の団体が多摩川を訪問した際、アユの稚魚を放流していると知ったからだという。また多摩川エコの拠点のせせらぎ館で、川の魚類を水槽展示しているのを見て、チリウン川でもしてみたいという。どんどんまねしてほしい。
お掃除も文化であると言った人がいるが、卓見である。自然保護も文化である。その第一歩がごみ拾いだと思う。こういう分野への助成を続けてもらいたい。

関連する事業

活動国・地域

多様な映画の観客育成プロジェクト(日本・インドネシア編)

日本、インドネシア、フィリピンでのアニメーション・ワークショップ

日本インドネシア国交樹立60周年記念 紅型影絵「やどかりの夢」インドネシア公演&紅型ワークショップ

アジア太平洋ディスレクシア・フェスティバル2018

日本・インドネシアの若者が共に考えるインドネシアのごみ事情 ~村ツーリズムの開発とともに~

「町家から創造都市へ」 アジア伝統文化の創造の協働作業

活動分野

「僕たちがつくる!未来の街」 友情のレポーター in フィリピン特別編

「第8回アジア湿地シンポジウム」 (2017年11月) における「湿地とユース」セッションの企画・運営

世界湖沼会議子ども交流事業

ジャカルタお掃除クラブ日本訪問2 ~日本式お掃除文化をさらに深く考える~

防災文化セミナー「スマトラ沖地震津波より10年を経て」 – 文化と防災を軸とした交流 -

インドネシア・アチェと東松島市の子ども国際交流事業 「被災地から未来への対話/壁画の架け橋」