小池博史ブリッジプロジェクトが2013年から東京オリンピック開催の2020年までの8カ年計画で取り組んでいる国際共同制作「マハーバーラタ汎アジアプロジェクト」の第四部。アジア各地のアーティストとともに作り上げ、チェンマイ・バンコク・東京で上演した。宗教も歴史観も多様なアジア圏において思想的・哲学的な共通核になりうる「マハーバーラタ」の全体像を、現代に再構築する舞台作品として本作品を実施。共催はタイのチェンマイ大学、バンコク大学。提携はチェンマイ舞踊学校、パルテノン多摩であった。また、公演のみならずチェンマイではワークショップ、学生向け公開ドレスリハーサル、バンコクでは観客・学生・ツアーメンバーの交流会、東京では公開ドレスリハーサルやトークイベントも同時開催し、現地の人々と制作側の相互交流の機会を多く設けた。
平成27年度実績 https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/grant/cc1508/ 平成28年度実績 https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/grant/cc1604/
申請団体より
本事業はアジア7カ国のアーティストが協働して舞台作品を創作、3都市での上演を果たし、聴衆から高い評価を受けた。特にバンコク大公演後の交流会の実施を通して、聴衆と学生、制作側と意見交換の機会を持った結果、約50名の文化人や芸術家、学生がこれに参加したことは特筆すべき成果である。本事業はアジア地域の持つ“共存という文化や思想”の認知向上・普及のため、アジアを代表とする聖典「マハーバーラタ」を用いているが、タイでの日系コミュニティによる特集や、英語を用いたFacebook上での宣伝、英文記事の発信や日本における新聞掲載、ラジオ放送などでその認知度は大きく向上した。各国の文化を尊重しつつ融合させていく本作品を、国際交流基金の助成を受け日本の代表的な事業として実施したことで、我が国の文化水準の高さを国際的に知らしめることができ、非常に意義深い機会となった。