日本の文化財の1つで380年の歴史ある申請団体とベトナム青年劇場の役者とスタッフが協働して「野鴨中毒」を上演。2016年3月の東京初演に引き続き、5月にベトナムおよびルーマニアの2カ国3都市にて上演した。伝統と現代、人形と人間、両国様々な要素が融合した表現を生み出し、両国の交流の促進を目指すと同時に、両国舞台スタッフの協働により舞台芸術の次世代を担う若手の育成を図った。特にベトナム人舞台スタッフらの育成に主眼を置き、海外公演でベトナム人スタッフが中心となって実施するための指導を日本人舞台スタッフが行ったが、同時に指導する日本人スタッフらの指導方法スキルを磨くことにつながった。これら実地を伴った育成・研修は更なる次世代育成に貢献する大変貴重な場・機会となった。また、欧州圏の国際フェスティバルでの上演を通じ、日越アジア文化を結集して創り上げた本作をアジアの国際協働の成果として発信し、両国のみならず、世界的な広がりを持ったプロジェクトとして展開した。
平成27年度実績 https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/en/grant/cc1532/
- 関連する国/地域
- 日本, ベトナム, ルーマニア
- 協力団体/協力者
- ベトナム青年劇場
申請団体より
東京初演した日越のアジア文化の融合による協働作品の成果を、相手国であるベトナムと、更には欧州の国際フェスにて上演することが出来た。 ベトナムでは、相手先であるベトナム青年劇場の拠点であるハノイだけでなく、ハイフォンのオペラハウスにても上演が叶った。 ベトナムのハノイ、ハイフォン公演においては、現地の20代を中心とする若い方々が、日本の江戸糸あやつり人形の遣い方を習い、結城座、ベトナム青年劇場のプロの役者たちとともに舞台に上がった。日越のプロ同士のみならず、一般の特に若い方に向けても交流の裾野を広げ、相互理解を促進することができた。 これらのベトナム、シビウの2か国3会場において、ベトナム青年劇場と結城座のスタッフたちが実地による演劇制作・創造のノウハウを共同研修し、お互いの国の演劇システムの良いところ悪いところを検証していくことで、ベトナム人スタッフの技術向上や、日本人スタッフの指導力向上がはかれ、未来を担う若い演劇スタッフの人材育成を行うことができた。