ユネスコに加盟しているアジア太平洋地域と日本のディスレクシアの当事者、関連する教育機関、政策立案者、研究者、支援者・保護者とが集まり、各地域におけるディスレクシアの啓発、教育的支援、指導の普及についてそれぞれから発表し、課題解決に向けて議論した。登壇者の年齢層(10代から80代)も立場も国籍も様々、研究者の専門分野も医療、教育、福祉、言語、国際平和と多岐にわたって実に多様性を体現していた。
多様な歴史・文化・言語・文字などの背景を持つ人々がディスレクシア(読み書きの困難)という共通課題に取り組むことで、SDGs の目標のひとつである「誰にでも質の高い教育を」を目指してインクルーシブ教育をアジア太平洋地域で浸透させていくことの意義を再確認し、新たな動きの契機とネットワークを作ることができた。
また、「Future of dyslexia」として各国からのメッセージがあり、SDGsのターゲットのひとつであるインクルーシブ教育と多様性を包摂する社会に向けてそれぞれが歩むことを誓った。
イベント概要 https://www.npo-edge.jp/event-lecture/apdf
平成30年度事業実績 https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/ja/grant/pp1812
平成29年度事業実績 https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/ja/grant/pp1704
- 関連する国/地域
- 日本, シンガポール, インドネシア, マレーシア, タイ, 台湾, 香港, 米国, フィンランド
申請団体より
2010年にパリのユネスコで第一回ディスレクシアフォーラムが開催され、10年後の2020年までに欧米、南米、アフリカ、中東とアジア太平洋の5つの地域でディスレクシアの啓発と教員の育成についてフォーラムを開催することを約束した。その流れを汲んで、アジア太平洋地域は当NPOが中心となって2016年からディスレクシアフェスティバルを毎年開催し、機運を高めてきた。その間、多様性そのものとも言えるASEAN諸国への訪問を通して、それぞれの国の事情を知り、活き活きと暮らす当事者と会い、教育の場での対応をつぶさに見てきた。新型コロナウイルスの影響により開催を一年延期したにも関わらず海外からの講師を迎えることはできなかったが、こうした下準備もあり、また技術の革新もあって、海外から多くの登壇者を遠隔で迎えることができた。まさに「Future of dyslexia」は明るいと思えるイベントであった。