リサーチプロジェクト 「町に残るアートとコロニアリズムの跡」

  • The Grant Program for Enhancing People-to-People Exchange
Grant Year
Fiscal Year 2019
Grant Amount
JPY 538,297
Country of Activity
Indonesia, Japan

19世紀に西洋美術の教育を受けた画家ラデン・サレーに関連するジャカルタのチキニ地域を訪れ、インドネシアにおける美術と近代化、そして植民地主義との関係性を町に残る痕跡から探るプロジェクト。日本とインドネシアの計5組のアーティストたちと協働し、ジャカルタでは聞き取りや、写真・映像を用いた現地調査、議論を行った。リサーチ成果として各アーティストによる4点のレクチャーパフォーマンス、1点の映像作品を「シェアリング」という形でジャカルタにて発表した。
黄金町では、ジャカルタの現地リサーチ報告会を、展示とトークにて実施。インドネシアより映像コレクティブSunday Screenの2名を招へいし、横浜のリサーチと新作制作を行った。直線的な単一の物語に矮小化されてしまう傾向のある東南アジアの近現代の歴史に対して、植民地主義、都市開発、美術史、ジェンダーの問題、個人的な物語といった多角的にアーティストたちが収集した経験の共有によって、学術的なアプローチとは異なる歴史の語り方を示すことができた。

https://www.koganecho.net/contents/event-exhibition/event-exhibition-2905.html

Related Countries
Japan, Indonesia
Co-organizer(s), Cooperator(s)
Mei Homma / Asako Taki (Back and Forth Collective)
Irwan Ahmett&Tita Salina
Ugeng T Moetidjo
Ragil Dwi Putra
Kotobuki Kyodo Space
LBH Jakarta
Rujak Center for Urban Studies

From the Organizer

アーティスト同士の豊かなコミュニケーション、多様なアプローチに触れることのできるパフォーマンス作品とその記録映像、近代史を現代アートから見つめ直すリサーチプロジェクトの形式の構築、アート関係者以外を巻き込んだリサーチと発表、作品を通して見えてくる現代の事象と誘発される対話、といったアートを通すことで期待できる市民交流を実現することができた。 「市民交流」という名の下で事業を実施することで、成果物をアート関係者だけでなく一般に開くことを常に頭に置き、インドネシアの現代アートシーンにおけるアートと社会/一般人との距離感を体感することができた。 美術館やギャラリー、公共彫刻や過激なアヴァンギャルドといったイメージに収斂してしまいがちな日本における「現代アート」の枠組みを拡張していくために、「市民交流」という枠組みはチャレンジングであるとともに期待できる。

Projects related to this Grantee

Countries of Activity

日本とインドネシアの若者による地域資源を活用した持続可能な開発のための活動

日本・インドネシアにおける柔道ならびに柔道整復の交流事業

仮面舞踊を通した日本とインドネシア文化交流事業

チリウン川(ジャカルタ市)の清流化を支援する多摩川・チリウン川環境ボランティア交流事業

アジアの共通課題に取り組む実践家のための相互学習と共創

野村誠 「瓦の音楽」 -瓦の音楽を媒介とする日尼文化交流事業-

Field

バリ・金谷インターナショナルアートウィーク2016

IAFT 20≠21 ONLINE

「見放されたものの組織化」深化/拡張する現場

DOOR to ASIA in Bangkok

市民による社会包摂型アートプロジェクトの日本・マレーシア間の交流促進とネットワーク構築

「ワークショップを通じた子どもの絵の国際交流」事業 ~日本・ミャンマー外交関係樹立 60周年記念事業~