JELF設立20周年シンポジウム 『将来世代の権利と法的戦略~私たちに何が出来るか~』

  • The Grant Program for Enhancing People-to-People Exchange
Grant Year
Fiscal Year 2017
Grant Amount
JPY235,541
Country of Activity
Japan

環境問題を中心に取り扱う法律家の団体である日本環境法律家連盟(JELF)は、2017年に20周年を迎え、今後、活動をより一層発展させ、「将来世代の権利」を守ることを目標と掲げている。 今回、フィリピンの弁護士で政府による無秩序な伐採許可を「将来世代の権利」という考え方を提起して差止めた実績をもつアントニオ・オポーザ氏(マグサイサイ賞受賞者)を招き、弁護士やNGO関係者を対象に講演して頂き討論した。準備にあたり、オポーザ判決を学ぶ事で、「将来世代の権利」への理解を深めることができ、シンポジウムにおいてもオポーザ氏の基調講演の後、日本国内の様々な取組みの紹介を行うなどして、この考え方を日本の現場で活かすための議論を深めた。 また、オポーザ氏が学生世代との交流を望んでいることから、大阪大学法学部にてセミナーを開催。「次世代の権利」という若者に関連するテーマを通じて、オポーザ氏は常に学生に質問をし、熱のこもったセミナーになっただけでなく、学生にとっても国際的な視野を広げ、環境運動のダイナミズムを学ぶ貴重な機会となった。 今後も、「将来世代の権利」という観点から日本の司法立法分野での実践について討論し、専門家交流の契機となったこの機会を活かし、深めるべく活動を継続する。

Related Countries
Philippines

From the Organizer

シンポジウム、別事業として行ったフィールドワークを含めて合計155人の会員、一般市民が参加するなど、設立以来最も参加者の多い事業となった。事業の内容は、約460名の弁護士会員、120名の学者、一般会員が購読する「環境と正義」という機関紙で取り上げられたほか、フィールドワークについては複数の新聞記者が参加し記事として取り上げられる等、沢山の人が知るところとなった。 営利を目的としない団体であり、経済基盤も厳しい中で、フィリピンの世界的に著明な弁護士を招へいすることは非常に困難であり、助成を受けたからこそ実現できたと思われる。 今回の件で会員からもアジアでの環境保全活動に対する関心が高まっており、オポーザ弁護士からもフィリピンに招待されているため、今後継続的にフィリピンおよびアジアを中心とする環境弁護士や関連する市民と交流していく予定である。

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