日本をはじめアジア諸国では、急激な都市化やライフスタイルの変化により食習慣の乱れが生じている。結果、肥満や生活習慣病の増加等、様々な健康問題を抱えるようになった。共通の課題は、伝統的文化の見直し等、健康的なライフスタイルを実践することである。 2016年2月、食生活改善に関わるASEAN諸国の行政担当者やボランティア団体の代表者10名を日本に招へいし、シンポジウム開催をはじめ、行政や企業の視察、自治体職員や市民ボランティア、研究者、企業の担当者との交流を通して健康的な食生活を営むための仕組みや実践方法を学んだ。草の根レベルで活動する実践者の交流により、各国における健康都市活動のリーダーを育成し、ネットワークを構築することができ、食や運動、心の健康に基づくアジア発健康都市のモデルづくりを図った。
平成29年度実績 https://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/grant/pp1712/ 2016年より「認定NPO法人健康都市活動支援機構」に団体名変更
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- 健康都市連合
From the Organizer
シンポジウムでは、さまざまな文化・経済背景をもつ国々との間で食と栄養を中心とする健康文化の知見や実践についてベストプラクティスを学び合えた。視察では、自治体や企業の施設や活動を通して食の安心・安全を基本とする取組みを伝えることができた。特に、給食センターや学校保健を基盤とするヘルシースクールは、各国参加者にとって健康都市活動の参考となっている。また、市長や職員、企業の担当者、市民ボランティア団体、児童との交流も、相互理解を育む上で意義深かった。 課題は、健康文化の領域が広く参加者全員の要望に必ずしも視察対象を絞り切れなかったことと、シンポジウムの発表時間が十分に取れなかったこと。 当機構はWHO西太平洋アジア地域における健康都市連合の理事として国際支援・交流を担当しており、本プログラムを通じて、草の根レベルでの健康文化の交流に一層力を注ぐ所存である。今後はさらに食と運動、生きがいを融合させた健康まちづくりを国内外のネットワークを通じて推進していきたい。