アジアにおける老年学の問題の共有と、より実践的な研究に向けて学びあうという趣旨で、3日間のワークショップが行われた。正式な参加者21名に加え、APRU参加大学である慶應義塾大学の大学院生5名、共催者である東京大学高齢社会総合研究機構の大学院生39名が一部のセッションに参加した。
初日にはWHO神戸センター・テクニカルオフィサーのローゼンバーグ恵美氏による「Measuring and Evaluating Age-Friendly Cities and Communities」と題した講義でWHOが考案したAge-friendly(高齢者に優しい)コミュニティの穂評価方法とまちづくりの実践について具体的な事例が紹介された。また、アジアン・エイジング・ビジネスセンター理事長の小川全夫氏は「Recommendation of Action Research for Promoting Age-Friendly Communities」と題した講義で、高齢化が進む地域の複雑な課題に取り組むために多様な背景の個人や組織が協働するアクションリサーチの重要性と具体例を紹介した。
2日目は、インドネシアの高齢社会研究の第一人者であるTri Budi Rahardjo氏によるインドネシアの老年学についての講義に続き、タイ、シンガポール、日本の参加者から自身の研究について発表が行われた。その後、今後アジアで解決されるべき高齢社会の課題についてグループに分かれて議論を行うとともに主要な4つのテーマに分かれて具体的な研究計画が練られた。
3日目には、2日目に議論された以下の研究計画がグループごとに発表され、今後、国際研究の実施が期待される。
・Social participation and happiness: Across cultural comparison among community-dwelling elderly with IADL limitations
・Preliminary study on dementia-friendly communities among Asian countries: A cross-cultural comparison
・Financial literacy as an essential tool to empower older adult to manage health choices and later life decisions: A 5-city study
・Cultivating a culture of “age-friendly” conduct among primary health care staff ―A cross-cultural approach
閉会後、希望者は サイトビジット・ツアーに参加した。(1)利用者の独立した生活を支援する小規模多機能施設(2)高齢者の多い地域である谷根千・巣鴨エリア(3)国立障害者リハビリテーションセンター のそれぞれのツアーでは、東京大学所属の学生が中心になってガイドした。
- Related Countries
- Japan, Singapore, Indonesia, Thailand, China, Hong Kong, India, Nepal, Canada
- Co-organizer(s), Cooperator(s)
- Institute of Gerontology, The University of Tokyo