本事業「交差/横断するテキスト:ミステリーとミスティカルのあいだで」は、東京の劇団shelfとその代表にして演出家の矢野靖人、ジャカルタの劇団Lab Teater Ciputatとその代表・演出家のBambang Prihadiとの長期国際共同制作である。先ず、それぞれ互いの国の文学テキスト(三島由紀夫『卒塔婆小町』とダナルト『Rintrik』)を交換し、それぞれに舞台化。その先に、その舞台制作の経験を糧にして一つの共同制作作品を、“CROSSING TEXT(交差/横断するテキスト)”という方法論で編み出していくことを目指す。これは単に一つの作品制作をのみ目指すものではなく、制作プロセスにおいて得られた国際協働の成果、個的な経験を出来る限りドキュメント化、あるいは映像化し、それを広く社会に共有することで、新しい国際共同制作の在り方、その価値と意義、もっといえば、これからの国際社会、多文化共生社会における共生の在り方をも示すものでもある。
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- LAB Teater Cipuat
From the Organizer
本来は互いの国を往来し対面で行う予定だった国際共同制作が、今回は新型コロナウィルスのパンデミックの影響で能わなかった。だが、国際交流基金アジアセンターの柔軟な判断により、リモート/オンラインでの国際共同制作の試みについて、様々な模索の場が開かれ、結果、新しい、触れられない・移動できない状況下での新しい共同制作の方法論について、その可能性を開くことが出来たと思っている。また、スピードやスケールばかりに価値を置きがちな現代資本主義社会において、ゆっくりと、スケールを目指さす、しかし人類にとって非常に重要なものやことについて探求する機会を十全に与えられたことについては、感謝の言葉もない。私たちはここで得られた経験を糧に、もっと遠く、地平の先まで辿り着きたいと思っている。