「ダンスインアジア-オンライン2020-」は、2020年8月に予定されていた台湾の国家両庁院(National Theater & Concert Hall)での「ダンスインアジア2020」の公演が新型コロウイルスのナ感染拡大の影響を受けて中止となったため、新規に事業参加者たちと立ち上げた企画である。参加アーティストによるオンライン配信でのビデオ作品発表と、ディスカッションをベースに、Youtubeにて2020年9月25日及び26日、2日間に渡ってライブ配信を行った。参加アーティストは、メラティ・スルヨダルモ(インドネシア)、JSウォン(マレーシア)、世紀當代舞團(台湾)、そしてニブロール(日本)で、この4組がファシリテーターとなり、オーディションによって選ばれた各国2組ずつの若手アーティストと共に、新型コロナウイルスの影響のもと、いま現在の身体的状況をテーマにした12本のビデオ作品の制作と発表、参加アーティストによる作品のプレゼンテーションを行い、ディスカッションでは、それぞれの国での芸術活動の問題点、そしてアフターコロナの身体芸術がどうあるべきかなどをテーマに議論した。
- Related Countries
- Japan, Indonesia, Malaysia, Taiwan
- Co-organizer(s), Cooperator(s)
- Melati Suryodarmo
- JS Wong
- Century Contemporary Dance Company
From the Organizer
舞台芸術にとってオンラインの環境は表現のうえで様々な弊害があるが、コロナ禍の現状をポジティブに捉え、いまアーティストができることをそれぞれが模索する機会を得ることで、オンラインだからこそできる表現についてビデオ作品やシンポジウムを通してお互いの意見を交換することができた。
これまでのような劇場での表現は、まだしばらくは難しい状況が続くことが想定されるので、今回の経験をもとに将来的にもオンラインでの事業を展開していきたいと考えている。また、自分たちの作品を発表するだけでなく、シンポジウムやトークセッションなどの企画を多く取り入れることで、若手のアーティストや、芸術関係に携わる人たちの声もダイレクトに伝える機会を数多く設け、劇場ではできない表現として、オンライン配信という表現をより豊かにしたいと考えている。これまでの舞台芸術は「生」であることにプライオリティを求めるばかり、映像メディアを敬遠してきた人たちが多いジャンルだが、あらためて映像メディアの可能性を感じている。現在、様々なジャンルでもオンライン配信が行われ、その技術も日ごと進歩しているが、オンラインを「生」の舞台芸術の代替の意識でやっている以上は、これ以上発展しないと考えている。来年度も海外の、とくにアジア地域で活動するアーティストとの事業を、今回の企画をより充実させて続けていき、オンラインでしかできない表現を今後も模索していきたい所存である。