本事業は、インドネシアのバリ島より男性舞踊家イ・マデ・ステジャを、沖縄県外からバリ舞踊家とバリガムラン演奏家を招へいし、琉球古典音楽の演奏家や琉球舞踊家と共同で、沖縄の伝統芸能である組踊「二童敵討(にどうてきうち)」をバリの古典舞踊劇ガンブーの演劇様式と表現の手法で創作・上演したものである。伴奏にはバリガムランと沖縄音楽(三線と笛)を用い、バリと沖縄の融合を試みた。 公演名は『≪イ・マデ・ステジャ招へい公演≫ バリの仮面舞踊と舞踊劇「バリ版二童敵討」』。 第一部にはバリのヒンドゥ儀礼に欠かせない仮面舞踊トペン・パジェガン、儀礼歌、奉納舞踊ルジャン・デワを披露した。第二部では本事業である「バリ版二童敵討」を上演。沖縄古典芸能の組踊「二童敵討」は玉城朝薫によって創作され、1719年に初演されている。組踊が上演されてから300年を迎える記念の年に実施された。
- Related Countries
- Japan, Indonesia
- Co-organizer(s), Cooperator(s)
- I Made Suteja
- Nabi
- Tetsuro Koyano
- I Putu Setiawan
- Yoshie Suzuki
- Takayuki Oshiro
- Yoshimori Nakamine
- Kota Kawamitsu
From the Organizer
舞踊劇「バリ版二童敵討」の創作は、バリと沖縄の演者が活発に意見を出し合いながら本番前まで演出や音楽の調整がなされた。とても有意義な創作活動であった。互いの芸能(バリの演劇と沖縄の組踊)の表現の効果的な部分を諸場面に取り入れ、それらが相乗効果を生み、新たな融合作品が生まれたと実感している。 公演後のアンケートでは、「音楽、舞踊、言葉、沖縄と日本とバリの融合が素晴らしかった」、「ガムランと沖縄の音楽がみごとに調和していた」、「舞踊の手や足の動きは、バリと沖縄には通じるものがあると思う」、「組踊と比較してとても新鮮だった」などたくさんのご感想をいただいた。 本事業を終えて、伝統芸能が根付いている沖縄の地で、インドネシア・バリ島の伝統芸能の活動を続ける意義の大きさを感じた。今後もバリと沖縄の繋がりを意識しながら、新たな表現を追求していきたい。さらにインドネシアの方々に沖縄の芸能を知っていただく機会を作り、相互間で芸能を通しての上演や創作の交流が広がることを願う。