2000年よりタイ国境の7カ所のミャンマー難民キャンプで、キャンプ委員会、教育委員会との連携の下、コミュニティ図書館活動を実施。特に児童サービスは重要な活動の柱であり、子どもたちの貴重な自己表現の場であるとともに、民話を収集・出版する活動は自らの少数民族の文化を次世代へ継承していく役割を果たしている。一方で、ミャンマー国内の図書館も十分に機能しているとは言いがたい状況を受け、2015年5月、ミャンマーの図書館関係者らとともに、タイのスラム街や難民キャンプを訪問しワークショップを行った。 東日本大震災時における日本の被災地や難民キャンプでの図書館活動を紹介し、図書館活動の具体的なスキル習得を支援。加えて、移民や難民キャンプを視察し直接彼らの声を聞くことで、ミャンマー国内の図書館関係者は少数民族理解を深めた。ミャンマー国内では中々報じられない状況を知り、今後の平和な国づくりに向けた次世代の子どもたちへのメッセージを、ワークショップを通じて参加者全員で作り上げた。
- Related Countries
- Japan, Thailand, Myanmar
- Co-organizer(s), Cooperator(s)
- Sikkha Asia Foundation
From the Organizer
ミャンマーからの参加者が、隣接するタイや難民キャンプの視察を通じて、自国が抱えている貧困や紛争の問題や、かつては同国に暮らしていた人々が難民キャンプに逃げなければならなかった歴史と現状を認識するだけでなく、それに対して自ら考えるきっかけが得られたことは大きな成果と考える。今回、日本・バンコクスラム・タイ国境の現状や各地で実施されている図書館活動の視察を通じて、図書サービスを提供する側の図書館員だけでなく、子どもたちもミャンマーが抱える貧困や少数民族に関する課題を認識し、平和な社会作りに対する行動計画を考えられるような、分かりやすい図書サービスの実施に取り組んでいきたいと考えるようになった。今回の事業では、新たな技能の習得だけでなく、参加者の経験と難民キャンプという困難な状況に暮らす人々の声を直に見聞きしたうえで、未来を担う子どもたちに向けた平和構築のためのメッセージを作ることができたことは参加者全員にとって良い意識作りの機会となった。