奈良まちづくりセンターは、アジアの歴史的町並み保存を支援するため、1991年に「アジア西太平洋都市保存ネットワーク」を形成し、その一員として、マレーシア・ペナン、タイ・チェンマイ、インドネシア・アチェ、韓国・ソウルなどの歴史的町並み保存NPOとの交流を進めてきた。2013年1月には、ネットワークを拡充強化するため、マレーシアのペナンにおいて、「アジア・ヘリテイジ・ネットワーク」を結成。 平成27年度は、インドネシアのバリにて国際シンポジウムを開催。13の国・地域から130名以上が集まり、各国の現状報告や、平成26年度に訪問した新興国(インドネシア、ミャンマー、カンボジア)支援の未来をテーマにディスカッションをした。今後のネットワークの活動指針となる「カランガセム宣言」を発表し、今後3年に一度、シンポジウムを開催することを決定した。
平成26年度実績 http://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/grant/pp1414 /平成28年度実績 http://grant-fellowship-db.asiawa.jpf.go.jp/grant/pp1635/
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From the Organizer
当事業を実施した最大の成果は、経済新興国を中心とするアジアの経済発展の中で失われていく歴史的町並み保存に向けて、アジア各地の市民組織の間で改めて問題意識を共有できたことである。とりわけ、本年度のインドネシアのバリ島における国際シンポジウムにおいて、今後のアジアの町並み保存活動の指針となる「カランガセム宣言」を発表できたことは大きい。 ただ、アジアの新興国での急速な町並み破壊は今も続いており、市民や政府に対する啓発活動とともに、良き保存事例を少しでも増やしていく努力を継続する必要がある。また、アジア最大の町並み保有国である中国を巻き込むことも大きな課題であり、2019年11月にはアジア・ヘリテイジ・ネットワークの国際シンポジウムを中国南部の歴史都市である泉州で開催すべく準備を進めている。