手話で教育を受ける聴覚障害を持つ日越の青少年が交流することで、聴覚障害の分野だけでなく、国際的な交流・協力関係のリーダーシップをとれる人材に成長することを目指し、事業を実施した。 2016年6月、中学生以上の聴覚障害を持つ青少年17名が、ホーチミン市近郊のドンナイろう学校 (The Sign-language School Attached to the Center for Research and Promoting Deaf Culture, Dong Nai University) を訪問し、授業見学、両国の手話や文化紹介、スポーツ交流などのプログラムを実施。その後、ホーチミン市師範大学 (Ho Chi Minh City University of Teacher Training) を訪問し、日本語学科の学生や成人ろう者と交流した。ともに日本語を第二言語として学習する立場として、音声日本語に限定されない、聴覚障害という枠を超えた交流を持つことができた。 8月には、東京で開催した「バイリンガル・バイカルチュラル・シンポジウム」において、ベトナムでの交流の様子を報告した。参加者は150名であった。
- Related Countries
- Japan, Vietnam
- Co-organizer(s), Cooperator(s)
- The Sign-language School Attached to the Center for Research and Promoting Deaf Culture, Dong Nai University
- Ho Chi Minh City University of Teacher Training
From the Organizer
この事業の成果は、手話を媒介言語として教育を受けている聴覚障害当事者である日本とベトナムの青少年が直接交流することができたことである。手話を用いて概ね分かり合える共通性と、アジアの他の国における障害児教育の現状を自らが経験中である日本の障害児教育と比較して、相対化する視点を得ることができた。 本件終了4か月後にはハノイで開催されたろう教育に関する国際会議に明晴学園からの引率教員が招へいされ、モンゴル、ニュージーランドからの参加者とともに、ベトナム政府関係者に対しても日本のろう教育の現状を報告する機会を得た。このようにして、アジア太平洋地域でのろう教育関係者と更なる交流の機会を持つことができた。国内の特色ある教育を海外に伝えるとともに、海外の状況を知る活動を今後も継続していきたい。 この助成を受けたことで、現地で日本語を学習中の聴者の大学生と筆談による交流ができたことは今までにない大きな成果だった。